小学校 特別支援教育支援員の仕事 ⑧登校渋り

平日ママブログ
ベーグルママ
ベーグルママ

新学期が過ぎて数ヶ月・・

新しい環境で頑張っていた子が「もう頑張れない」とサインを出す頃です。

学校に行きたくない

新しい担任の先生が嫌!

クラスに仲の良い友達がいない!

なんとなく嫌。

学校に行くと疲れる。

その子によってサインは違うと思うけど、新学期が過ぎて2ヶ月くらいから登校渋りが増えてくると思います。

我が子も小学2年生の頃、7月に入ったあたりから登校渋りが始まりました。

今日は私が実際に担当した低学年のAちゃんのお話をしたいと思います。

担任の先生が怖いというAちゃん

これは2年生の子に多いパターンかな?という気がするけど、「1年生の時の先生は優しかったのに2年生になってから先生が違う!怖い!!」っていう声をよく聞きます。

それは、新しい担任の先生が単純に怖い・・というケースもあるけど、「1年生の時とルールが違う、今までと違う事が不安」という可能性も。

私が勝手に思う事ですが、幼稚園と小学校の違い・・

幼稚園⇨園長の保育方針担任の先生達も共有。ルールややり方を園全体・学年で揃える。

小学校⇨それぞれの担任が学級運営。個人商店みたいなイメージ。

(あくまでベーグルママ調べです・・😅)

せめて学年で統一しようよー!!!!!(色々なクラスを行き来する支援員の声)

例えば・・
2年1組では折り紙を持って来るのはNG。持ってきていい時は先生から指示があった時だけ。
一方、隣の2年2組では折り紙OK。休み時間はもちろん、授業中に課題が終わった時も「終わった人は自分の席で過ごしてね〜」と先生が言えば折り紙をする事も出来る!っていうような事が普通にあります。

場合によっては、去年OKだった事が今年はNGって事になるんです・・。

〜Aちゃんの場合はこんな感じ〜

1年生の時はとっても優しい先生で、子ども主体で授業を進めてくれるような先生でした。
授業中に分からない事があれば手を挙げて先生に聞けばいい。
「分からない人、質問どうぞー」っていつも先生が聞いてくれるから。
そして、面白い意見が出れば「それいいね!面白い!」と承認や肯定までしてくれる。
不適切な発言があれば「それは良い事かな?どう思う?」と考える機会を作ってくれる。

一方、2年生になって新しく出会った先生は「こうします」「こういうルールです」と淡々と話す先生でした。
1年生の先生と真逆のタイプ。
「あなた達はもう2年生。1年生とは違う」
「話を聞いてないから分からないの。私はもう2回も言っている!」

真面目なAちゃんは「失敗してはいけない」「分からなくても聞いたらいけない」とプレッシャーを感じ、先生や学校に対しての不安が「恐怖」へと繋がっていました。

「先生が怖いから学校に行きたくない」とお家の人にお話していたそうです。

母子登校へ

6月にはお母さんと一緒に登校し、Aちゃんの席の横でお母さんが座って見守っている状態でした。

この状況になって私がそのクラスの支援に入るように。
お母さんと一緒でも授業中に泣いているAちゃんを見て、教室ではなく別室で学習する事を提案しました。

その日から別室登校が始まります。

支援員と一緒に別室で学習

まずは保護者(父・母のどちらか)Aちゃん、私の3人で過ごす事になりました。
そこで私が意識したのは保護者の方とたくさんお話する事。

学校にいる大人(私)とお父さん・お母さんが仲良く話しているって、子どもにとって安心できる環境だと思うんです😊

Aちゃんのお父さんもお母さんもとても気さくな方だったので、数日でAちゃんの笑顔が増えていきました。

そして第2ステップへ。

毎朝、保護者の方が学校の門までAちゃんを連れて来る⇨門や靴箱で私や他の先生がお出迎え。
調子が良い日はそこで保護者の方とバイバイ。
私と一緒に別室へ。

2週間はこんな感じで過ごしました。

別室⇨教室へ

そして次のステップ。

1日10分〜45分を教室で過ごす。
最初は「図書」や「生活」等のAちゃんが入りやすい活動から始めました。

それ以外の教科は全て別室で。
たまに専科の先生や教頭先生が様子を見に来て下さったり、Aちゃんに算数や国語の新しい単元を教えて下さる事も。
(支援員は教員免許を持っていても授業をする事は出来ません。出来るのは復習やドリル等を一緒にやる事くらいかな😊)

絶対に内容や課題が遅れないように!担任の先生と授業の進度を確認しながら。
教室に入った時に「ついていけない、分からない不安」を起こさないように少しAちゃんの方が先に進んでもOK!の気持ちで学習に取り組んでいました(もちろん無理はさせない)

支援員が教室で出来ること

1日に1・2時間ほど教室で過ごせるようになってきたAちゃん。

担任の先生もAちゃんに声をかけたり(先生もだいぶ気にされていて、最初よりも優しい雰囲気で話しかけていました)授業も分かりやすいように工夫されているのが伝わって来ます。

それでもクラスのやんちゃ君達に厳しく指導する場面がどうしてもあります。

そういう時はAちゃんの隣でひたすら「状況説明」をしていました。

ベーグルママ
ベーグルママ

〇〇くん、さっきも注意されたのに2回同じ事をしたから先生がもう一度言ってるね。

あ!〇〇くんも次の課題に進む事ができたね。(自分の感情は入れずに淡々と実況中継)

Aちゃんと過ごして気づいた事は、Aちゃん自身が「集中して話を聞く事」や「状況把握」が苦手な事。
そして不安も強く「これってどういう意味?どうするの?」と念入りに何度も確認する事が多かったです。

Aちゃんにとって担任の先生は「なんとなくいつも怒っている先生」で必要以上に恐怖を感じているように見えました。

私が状況を説明する事で「なーんだ!それで先生は怒っていたのか!」と分かる場面が多くありました。
「それは〇〇さんが悪いよね〜」とこっそり私に耳打ちしてくる時も。

それと同時に1年生の時とは違う「ルール」を1つ1つ確認していく事。
教室に入る前に別室で確認をし、少しずつ不安を取り除いていきました✨

約1ヶ月で1日の全てを教室で過ごせるように

予想よりもだいぶ早く教室で過ごせるようになりました。

毎日試行錯誤しながら関係をつくって下さった担任の先生、休み時間に別室に遊びに来てくれたお友達、仕事の都合をつけて一緒に登校して寄り添った保護者の方。

そして何よりもAちゃんの頑張る気持ちと強い心!!

このケースは早期発見、すぐ支援体制に入った事が良かったと思います。
(本音を言うと母子登校になる前、登校を渋り出した瞬間に支援に入る事が出来れば・・と思うけど、超早期での実現は難しかったりする。。)

子どもが学校へ行き渋った時の対応

これは息子の話ですが、息子の「学校行きたくない!なんか嫌!」という理由がイマイチ分からない登校渋りにかなり悩みました。

学校が嫌なランキング!を本人に発表してもらい、紙に書いてみたり。

ランドセルが重い⇨次の日からリュックへ変更。

4時間目にお腹がすく⇨夜ご飯を少なめにし、朝にたくさん食べる。

先生が怖い⇨具体的なエピソードが分かれば「どういう時に先生に怒られるのか」を冷静に分析。

苦手な教科がある⇨どのレベルの苦手なのか、家で対応できるのか、専門的に調べる事も検討。

親がすぐに変えられる事は即変えて。
出来る限りの環境調整を。

息子の場合は、発達検査(APT・WISC・MSPA)⇨ADHDとASDの診断が出る⇨ストラテラ(ADHDの薬)服薬、学校へ合理的配慮を⇨通級指導教室へ

とトントンと進んで行き、今では「学校楽しい!」と。

息子は学校では大人しめの性格でテストの点数も良い方なので担任の先生はびっくり。

「話を聞いていない子」くらいにしか思ってなかったそう。
でも成績は良いから「わざと聞いてない!」と怒っていたみたいです。(面談でも先生から注意を受けました😅)

ADHD脳、言語理解凹の息子は視覚優位の部分が強く、言葉だけの説明では理解出来なかったみたい。

授業中立ち歩いたり落ち着きのない子がADHDというイメージがあるけど、頭の中が多動で気が散りやすく話を聞いていないパターンもよくあるので、お子さんが行き渋っている場合は色々な側面から考える事も必要なのかなぁと思います☺️
(全ての子に発達特性があると言っているわけではないです)

子育ての悩みは何歳になっても尽きないなぁ・・と。
週に1回の通級教室が楽しい!学校楽しい!と過ごしている息子を見ると、息子の自己肯定感や自尊感情を守る事ができて本当に良かったと思います😊

でもまた悩みや壁にぶち当たるんだろうなぁ。。

頑張りすぎず、ゆっくり歩いていきたいですね。

ベーグルママ<br>
ベーグルママ

お読み頂きありがとうございます!

この話が少しでも誰かのヒントになればいいなぁと思います。




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